いらないものならなくなるもんね。

私が盲腸という言葉を知ったのは小学生くらいの頃。
当時、私はちびまる子ちゃんを愛読していたのだけど、初期の頃のコミックに「盲腸の朝」という題名のエッセイ漫画が掲載されていたことがある。
エッセイ漫画なので主人公はいつものまるちゃんではなく、作者であるさくらももこさん本人。
朝から何だかお腹が痛くて、我慢していたらどんどん痛くなって・・・・という描写がやけにリアルで、盲腸の恐怖を思い知ったような気がした。
ちなみにこの盲腸のことはエッセイにも掲載されていて、切り取った虫垂は小指ほどの大きさなのに、これがあれだけ自分を苦しめていたのか・・・という恨み節が記載されていた(笑)
ちなみに一般的に「盲腸」といわれるこの症状、正しくは盲腸の先端にぶら下がっている「虫垂」が炎症を起こした状態なので、本来は虫垂炎というのが正しいみたい。
その名の通り、虫垂という部分が炎症を起こした状態なのだけど、手術ではあっさり切り取られてしまうこの虫垂、体にとっては無用の長物なのでは?と思ってしまうところだよね。
ところが最近になって、虫垂は重要な役割を担っていることがわかってきたそうで、特に免疫に関与するはたらきが注目されているんだとか。
なんでも、虫垂が腸に免疫細胞を供給していて、腸内細菌のバランスを保っているということが、研究で明らかになったらしい。
腸内細菌のバランスが乱れると、食中毒を起こしやすくなるから、虫垂はむやみに取らない法がいい・・・とその研究の代表者である教授は見解を述べているんだとか。
まあ人間の体ってよくできているから、一見不要なものに思えても、実は役に立っていたってことは考えられるもんね。本当に必要ないものだったら、進化の過程で自然となくなるだろうし。
でもそれじゃあ虫垂炎になって虫垂を切り取ってしまった人って、それだけで健康上、不利な状態になるってことなのかなあ。